生駒山の麓、自由な暮らしを求め、オレンジ色と乗り物が大好きなオーナーのための古民家の改修。
オーナー自身のチャーミングなキャラクターと彼の趣味や好みのものから着想を得て、「オレンジ」と「俺の家(おれんち)」を掛け合わせた造語『おれんぢ』をプロジェクトタイトルに決め、設計を開始することにした。
オーナーからキチアーキへのプランニング要望は以下の3点。
・好きな色や物に囲まれた自由な暮らし
・友人達が集いやすい開放的な内部空間
・ひとり篭ることができるコンパクトな寝室
これらの要望を取り入れながら好きな物や色に囲まれた自由な暮らしを実現するべく、既存建屋の不要な部屋を取り除き、広々とした内土間とリビングがひとつながりとなる開放的なプランに改変し、どの場所からも全体が見渡せて人や物の気配が感じられる空間を提案。
内土間は、メカニックであるオーナーが自ら好きなバイクをメンテナンスしたり既存の梁や出窓を利用して楽しみ、壁面に採用した有孔ベニヤのディスプレイウォールも、お気に入りの小物やギアが自由に配置され、程よい生活感がある居心地の良い空間となり、住み手によって自由にアレンジされることで設計者の期待以上の装いとなった。
内土間と繋がるリビングは、この家の中心となるように、また狭小住宅であるため空間効率にも配慮して、廊下を設けず寝室・キッチン・浴室・トイレとダイレクトに接続。また、四季の気候変化に対応するため、透明の脱着式ビニルカーテンによって、リビングと内土間の空調ゾーンを分節可能にしつつ、空間を緩やかに繋いだ。
建物の外観と内観は、既存を生かしながら全体的に落ち着きのある飽きのこない素材と色で統一感を持たせたが、その中にオーナーとの密なやりとりでひらめき的に生まれたオレンジ色の建築アイテムが点在している。このような住まい手のセンスや遊び心が空間に表れて、『おれんぢ』ではじまる今後の暮らしに少しでも彩りを添えることができたら嬉しい。

建物への入口はテーマカラーのオレンジの扉からはじまる

アプローチにはカーブミラー用のオレンジポールを立て、照明・インターホン・住居表示を組み合わせた(住居表示はオーナー自ら製作設置)

既存出窓にはオーナーの自転車が飾られている


リビングエリアから内土間を見る。暖簾ビニルカーテンで緩やかに繋がる。

キッチンからリビングを見る。窓の外には生駒の街並みが広がる。

内土間からリビングを見る。正面の潜り戸が寝室への入口。

リビングのTV台を正面に見る。



オレンジカラーのアイテムが空間に点在。




タキザワベニヤが空間に彩りを添える
Photo by Megumi Takimagari
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- collaborators:
- Team MUNI
- 不動産・AM SHiLO
- 施工 中嶋工務店
- 施工図・現場補助 Studio Ful
- 造作家具・建具 Trente-Huit
- 照明計画 DAIKO TACT(國分 頼明)
